コラム

 公開日: 2015-11-19  最終更新日: 2016-01-13

障害者雇用率算定特例の種類と特例子会社の設立要件

特例子会社とは?

障害者雇用促進法における障害者雇用率制度においては、法定雇用率以上の障がい者を雇用することは個々の事業主ごとに義務付けられています。一般的な「親会社」及び「子会社」に対しては、それぞれに雇用義務が課されることになります。

ただし、事業主が障がい者の雇用に特別の配慮をした子会社を設立し、厚生労働大臣の認定を受けた場合には、その子会社に雇用される障がい者は親会社に雇用されているとみなされ、親会社・子会社間で障がい者の実雇用率を通算することが可能となります。この子会社を『特例子会社』といいます。

親会社の認定要件

(1)親会社が子会社の意思決定機関を支配していること。
親会社が子会社の議決権の過半数を所有している等連結決算の対象となる子会社である場合、親会社が子会社の意思決定機関を支配しているものとされ、親子会社の関係性が認められます。

(2)子会社への役員派遣、従業員の出向等人的交流が密であること。
◆子会社の役員のうち少なくとも1名以上について、親会社の役員もしくは従業員から選任されていること。
◆子会社の従業員のうち相当数が親会社から派遣されていること等。

子会社の認定要件

(1)株式会社であること。

(2)特例認定の申請時点において雇用する障がい者が5人以上で、かつ全従業員に占める割合が20%以上であること。

(3)特例認定の申請時点において、雇用される障がい者に占める重度身体障がい者、知的障がい者及び精神障がい者の合計数の割合が30%以上であること。(この算定においては、重度障がい者はダブルカウントされません。また、短時間労働者については、重度・重度以外を問わず1人をもって0.5人とみなされます)

(4)障がい者の雇用管理を適正に行う能力を有していること。
◆障がい者に配慮した作業施設・設備の改善。
◆障がい者の職業生活に関する専任指導員の配置など。

(5)障がい者の雇用促進、及び雇用の安定が確実に達成されると認められること。

「関係会社」特例とは?

“特例子会社を持つ”親会社が、特例子会社以外の子会社(関係会社)も含めて障がい者雇用を進める場合の特例です。

◆親会社・特例子会社・関係会社の間で実雇用率を通算することが可能となります。
◆障がい者を雇用していない子会社についても、認定要件を満たせば関係会社として申請できます。認定後、関係会社は必ずしも障がい者を雇用することは求められていませんが、グループ全体で法定雇用率を達成する必要はあります。
◆グループ適用する関係会社の範囲については、“任意で”選択することができます。親会社傘下の全ての子会社についてグループ適用する必要はありません。

「関係子会社」特例/事業協同組合等算定特例

<「関係子会社」特例(企業グループ算定特例)とは?>
“特例子会社を持たない”場合であっても、一定の要件を満たす企業グループとして厚生労働大臣の認定を受けたものについては、企業グループ全体(親会社とその関係子会社)で実雇用率を通算できる特例です。
この特例については、グループ適用する子会社を任意で選択することはできません。親会社と“全ての”子会社を企業グループとして、実雇用率を算定することになります。

<事業協同組合等算定特例(特定事業主特例)とは?>
複数の中小企業が事業協同組合等を活用することにより、協同して障がい者雇用事業を実施することとし、厚生労働大臣から一定の要件を満たすとして認定を受けた場合、その事業協同組合等と組合員たる企業の間で実雇用率を通算できる特例です。
(「事業協同組合等」とは、事業協同組合、商工組合、水産加工業協同組合、商店街振興組合を指します)

雇用率算定特例における納付金・調整金・報奨金の取扱い

特例子会社制度においては、親会社と特例子会社の労働者を合算して障がい者の雇用率を算出し、納付金・調整金・報奨金の額を計算します。これと同様に、企業クループ適用の場合も適用対象となった企業グループ全体の労働者を合算して雇用率を算出、納付金等の額を計算することになります。
また、特例子会社の労働者や関係(子)会社の労働者については親会社が雇用する労働者とみなされますので、納付金の支払、及び調整金・報奨金の受取は親会社が担うことになります。

~関連コラム~
「事業協同組合等算定特例(特定事業主特例)とは?」

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