コラム

 公開日: 2014-05-01  最終更新日: 2014-07-04

新築マンション手抜き工事~フライデーの記事から

4月25日発売のフライデーに神戸のマンションで手抜き工事の記事がありました。記事の内容は、「コンクリートマンションの床の不陸(床のデコボコ、床が平らでない)を直すために床のコンクリートを削り、鉄筋が見えている、その鉄筋が写真を見る限り、間隔がバラバラで格子状に組まれていない。そしてその床をすでに是正工事をした」という内容です。

記事の中でマンション関係者A氏の写真(鉄筋が見えている写真)と記事とそれについて別の建築士の解説、販売主広報のコメントが書いてありますが、私は書いてある内容に疑問があります。

コンクリートの建物は床、梁、柱の配筋(鉄筋を組むこと)をしてコンクリートを流し入れ一体化して設計した強度を得ます。ですから、鉄筋の入っている床を削ることはすでに構造に影響があります。しかも、鉄筋が見えるまで。

記事を読んでも「床を整えるために削ったとしても…。」とか「コンクリリートの不陸調整で…。」と床の不陸を直すためにコンクリートを削ることが当然の工事のように書いてありますが、コンクリートの床は構造体の一部、それを削ることは間違った工事だと思います。
            
販売主の広報部は是正工事したので問題ないと書いていますが、まず削ることが問題で本来一体化しないと意味がないコンクリート工事でどんな是正工事をしたのか私には全く考えられません。
また、解説者の文に「たぶん稚拙で技能の低い業者を使ったのでしょう」と書いてありますが、床の鉄筋の配筋は、鉄筋の配筋工事の中でも簡単な方です。私も現場監督の時に鉄筋業者の職人と一緒に工事したことがあります。床の配筋がまともに出来ない、コンクリートを簡単には削る業者では大丈夫かと考えてしまいます。

記事の中でA氏が床を削っている職人に「こんな工事をなぜするのかと問いただしたら、元請け業者の指示ですからという返事をした」ということに対して「アゼンとした、寝ぼけた事を言った」と書いていますが、A氏は建築について知識があるらしいですが、下請けと元請けの関係については知らないようです。削っていた職人はダメな事を知っていても元請けに言われたら削ります。お金をくれるのは元請会社ですから。
重層下請構造の弊害だと思います。下請けの職人はお金を払ってくれる元請けの顔を見ています。住宅建築でも工事は下請けに丸投げで管理する側はほとんど見ていないのではと思います。今、コラムでリフォームを取り上げていますが、その中にも私の経験が載る予定です。

この記事を書いたプロ

まちの大工さん 鈴木工務店 [ホームページ]

一級建築士 鈴木敏広

愛知県豊橋市菰口町5丁目85番地 [地図]
TEL:0532-32-4265

  • 問い合わせ

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

6

こちらの関連するコラムもお読みください。

<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
Q&A
うちのつくり方
イメージ

まちの大工さんでは昔ながらの住まいづくりをしています。昔ながらと言ってもつい最近まで、どこでもしていた家の造り方で、大工が構造材一本一本から加工し現場で組み...

 
このプロの紹介記事
まちの大工さん 鈴木工務店 代表 鈴木敏広さん

長く愛される家づくりを目指して快適な住環境を提案(1/3)

 1955年に豊橋市で創業して以来、半世紀にわたり、家づくりやリフォーム、修繕を行ってきた「まちの大工さん 鈴木工務店」。一級建築士としても活躍する代表の鈴木敏広さんは、住のスペシャリストとして木造住宅の新築、リフォーム、修繕工事、耐震診断...

鈴木敏広プロに相談してみよう!

朝日新聞 マイベストプロ

設計から修繕まで木造住宅のことならなんでもおまかせ

会社名 : まちの大工さん 鈴木工務店
住所 : 愛知県豊橋市菰口町5丁目85番地 [地図]
TEL : 0532-32-4265

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

0532-32-4265

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

鈴木敏広(すずきとしひろ)

まちの大工さん 鈴木工務店

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる
プロのおすすめコラム
瑕疵保険(かしほけん)はどうなった?④~見ザル、聞かザル、言わザルの現場
イメージ

①に書いたA邸の記事を読めば、A邸の欠陥は相当ひどいことになりますが、家の工事は、数日でできるものではありませ...

[ 新聞、雑誌等の記事から ]

瑕疵保険(かしほけん)はどうなった?③~瑕疵保証の頃は…
イメージ

瑕疵保険は2005年の耐震偽装事件がキッカケで制定されましたが、それまでに同じような仕組みがありました。似たよ...

[ 新聞、雑誌等の記事から ]

瑕疵保険(かしほけん)はどうなった?②~瑕疵保険は付保されていたらしい
イメージ

瑕疵保険とは、新築してから10年間、構造上主要な部分と雨漏りについて、瑕疵(欠陥)を保証する保険です。瑕疵が...

[ 新聞、雑誌等の記事から ]

瑕疵保険(かしほけん)はどうなった?①~週刊文春3月23日号の欠陥住宅の記事
イメージ

週間文春3月23日号に「急成長、格安一戸建て業者は欠陥工事だらけ」という記事がありました。住宅会社Sで、欠陥住...

[ 新聞、雑誌等の記事から ]

熊本地震で分かったこと⑮~計算する前の計画が大事
イメージ

5章で書いたように、壁の量が多いほど被害が少ないことは間違いないことだと考えられます。ところが、耐震等級2で...

[ 地震 ]

コラム一覧を見る

スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ