うちのつくり方

はじめに

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まちの大工さんでは昔ながらの住まいづくりをしています。昔ながらと言ってもつい最近まで、どこでもしていた家の造り方で、大工が構造材一本一本から加工し現場で組み立てる『木造軸組工法(日本で1000年以上使われている工法)』のつくり方です。

                  
最近の住宅建築業者は、プレカット加工(工場で材料を加工し、現場で組み立てる)やハウスメーカーのように工場でパネル加工して現場で組み立てる事がほとんどとなりました。今まで手で加工していた小さな工務店は、廃業やハウスメーカーの下請けになるなど自分で材料を加工しなくなりました。加工場は持たず、道具を車一台に積み、現場へ行く大工が増えてしまいました。私の工務店『まちの大工さん』のような自分で加工して『木造軸組工法』で建てる住宅建築業者は本当に減ったのです。

         
「プレカットの方が安い、手間のかかる手加工をなぜしているか?遅れている。」などと言われますが、私は当面やり方を変える気はありません。それは「うちのつくり方」の方が、日本の住宅には適していると思っているからです。
それは、手で加工するといいことがたくさんあるからです。

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『うちのつくり方』本論

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私の工務店がなぜ「昔の家つくり方をしているか」その理由は大きく3つあります。

①住まいは特別なモノ。
毎日家族が生活のために『住まい』を使い、使用期間も長く購入金額も高い。そして何より『住まい』は完成品で売っておらず、契約してからつくるモノ。まだ、形になっていないものにお金を払うモノはそうありません。契約金を払ってから完成するまでには数カ月あります。施主と職人が現場を見ながら、一緒に考えて『住まい』をつくる事ができると考えています。

②工事中、変更したくなるのが当たり前。
設計図には全ての情報が描いてあるわけではありません。設計図だけではつくれないのです。工事中に気づいた事、変更できる事はたくさんあります。現場作業がある限り、つくりながら『住まい』の使い勝手を考える事ができますから、変更することもできるはず。その過程(家つくり)を施主の方にも体験してほしいと考えています。

③将来、リフォームし易いことを考える。
まちの大工さんでは、簡単な機械(職人が一人か二人で使える機械)と手道具で加工しているため、将来、現場でリフォームできます。多くの業者のようにほとんどを工場で加工してつくる工法ですと、現場ではリフォームはできないのでは?と思っているからです。

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①-1 『住まい』が他のモノとの違うところ(5項目)

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a.世代に渡って長時間使用する
住まいは、新築した人だけでなく、その子世代、孫世代と使用するかも知れません。当然そのままではなく、修理修繕、改築増築などのリフォームもするでしょう。直しながら、世代を渡って使用するモノ、他にこのような使い方をするモノはないと思います。

b.高価です
購入時に1000万単位のお金を払うモノは、普通の人には生涯で住まいだけではないでしょうか?長いローンも組んで購入するモノなど他にはないと思います。

c.これからつくるモノ、完成していないのにお金を払う
どんなに素晴らしい設計をしても、納得するような金額で見積りがでても、見ていて楽しみな完成予想図を見ても、まだ何も『住まい』は、できていません。建売住宅(完成した家を買う)でない限り、『住まい』は契約して、契約金を払ってから作ります。またできていないモノにお金を払うのですから契約してからが『住まい』の始まりなのです。

d.家族が生活のために使う
朝起きて、食事をし、働いて帰って、風呂に入って寝る、家族が団らんし、生活する場所が『住まい』です。24時間の内、何時間を住まいで過ごしますか?睡眠時間を入れれば、ほとんどの方は12時間以上ではないでしょうか?人生の半分を過ごすモノが『住まい』です。

e.移動できない、同じモノはない
キャンピングカーのように車に付けて移動するか家はありますが、普通の家は移動できません。建てる土地の形や気候に合わせて『住まい』をつくる事になります。仮に、ひとつの土地を区画して全く同じ面積に同じ家を建てても、全く同じ家族はありませんから同じ住まいになりません。つまり、『住まい』は家族とともに一つしかないのです。


※詳しくは、コラム「うちのつくり方」④~⑥へどうぞ!

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①-2 現場を見に来て下さい~うちのつくり方~

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最近は、工事中にお施主さんに鍵を渡さない業者が多いようですが、まちの大工さんでは工事用キーを渡して「工事を見に来て下さい」と言っています。共働きのご家庭も多く毎日来られる方は少ないですが、それでも、土曜などのお休みの日に職人が働いているところを見に来られます。うちには二人の大工がいますが、加工している時にすでに一度は会っています。上棟の時にも会い、現場に行けばいつもいますから、お休みの日に来ていただくだけでも、次第に話をするようになります。


職人は、自分が工事する『住まい』に、お施主さんが興味を持ってくれる事を喜んでいます。一度も工事を見に来ないと、誰の『住まい』なのかわからない、そんな『住まい』に一所懸命に働く人などいないのです。

『住まい』は同じモノがないのですから、人が現場で工事しないといけない。もちろん、自分が造っているところを見られて困る職人はいないと思います。生産者が誰か、食品では最近良く公開されています。住まいをつくることと、野菜などの食品をつくること、つくる人がいい出来に喜ぶのはどちらも同じ、購入者にそのつくったものをいい出来だとほめてもらえる喜びも同じ、違いはありません。しかも、住まいは長期間使用する特別なモノなのです。まちの大工さんでは、契約してからの工事に重点を置いているのです。



※詳しくは、コラム「うちのつくり方」⑦へどうぞ!

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②-1 工事中、変更したくなるのが当たり前

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日本の住宅の設計図は、平面、立面、伏図、詳細図などがありますが、部分詳細図はほとんどありません。工事許可を申請する時に必要ないためか、描かれていないのが実状です。部分詳細図とは、部材一つ一つの図面ですが、この図がないと細かいところはわかりません。構造やお金にはほとんど影響ありませんが、モノをつくるためには細部の納まりが分らないとつくれないのです。

では、設計図に部分詳細など全ての情報が描いていないのに、家ができてしまうのは、なぜでしょうか。
             
細かいところは、職人が現場で判断して、つくっているのです。今まで、住まいをつくる大工が図面を引き、教わった技術で工事してきました。大工の棟梁は細かい部分の工事は施主と相談して決め、各職人に指示し、工事を進めていたのです。つまり、職人任せだったのです。そして、今でもそれは変わらないのです。


工場で家をつくっても、一週間や10日では完成しません。しかし、工事期間中に考える時間があります。施主が工事の現場を見て気が変わる事は、私は当然だと思っています。「設計したらその通り」ではなく、工事を見てまた考えることができます。施主も職人と工事の進み具合をみて相談ながら、一緒につくるようになれば、造っている『住まい』にも更に愛着が生まれると思います。



※詳しくは、コラム「うちのつくり方」⑧~⑪へどうぞ!

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②-2 つくる過程を楽しむ

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なにもない土地に基礎工事が始まり、上棟してサッシがついて外装工事、床、天井、壁と内装が仕上り、キッチンなどの設備を設置して、電気、水道が通る。工事がだんだん進み、家ができていく過程を見ていれば誰でも興味がわき、ワクワクすると思います。特にお子さんのいる方は、工事中に来ると大変興味を示します。他の人には見ることはできません。自分の家なので貸切です。こんな面白い事は見ないと損だと思います。


私は施主の方に「ドンドン見に来てください。聞きたい事があれば私か職人に聞いてください。」と言っています。ご自分のものですから当然だと思っています。確かに法律上は工事中の家は施工業者のものですが、だからと言って鍵も渡さず、自由に見せないのはおかしいと思います。そして、変更したいこと(もちろん耐震性が落ちるとか、法律に違反になる事はお断りしています)があれば、間に合えば変更に応じています。


一生に何度も家を建てる人はいませんから、見に来て変更したくなる事は当たり前、自然な感情だと思います。



※詳しくは、コラム「うちのつくり方」⑫へどうぞ!

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③-1 将来リフォームできる条件~ホームセンターで売っている材料でも修理できる家~

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将来リフォームできる条件の一つめは、誰でも知っている工法(オープン工法)で建てることです。誰でも知っている工法ならば、つくった人が亡くなってもつくり方を知っている人が必ずいます。だから直せるわけです。ハウスメーカー独特なオリジナル工法(未公開なので、クローズド工法と言います)では、その工法のつくり方は一部の人しか知りません。当然数も少ないので、オリジナル工法は使っていた業者がいなくなれば、直せるか分らず、リフォームは難しいと思います。


条件二つめは、どこでも売っている材料(部材)でつくることです。一般に売っていない材料や注文して何日もかからないと手に入らない材料でつくられては簡単にリフォームできません。

                   
条件三つめは、なるべく現場でつくることです。現場で造れば必ず現場で直せるからです。今では工場で、図面どおりに正確に早くつくることが良いこととされていますが、将来のリフォームに適しているかは別のことなのです。それとも、工場でつくったパネルは、将来現場で治す時には簡単にできるように考えて作っているのでしょうか?
工場ではなるべくコストをかけずに早くつくることしか考えていないのでは?と私は思います。



※詳しくは、コラム「うちのつくり方」⑭~⑯へどうぞ!

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③-2 将来リフォームできるために

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まちの大工さんでは材料を一般の材木店や建材店から仕入れて、加工場で職人が材料を一本一本加工して現場に搬入して組み立てています。加工場で使う機械も職人が一人か二人で操作できる簡単な機械です。コンピューターで管理して材料を加工していません。天然の木材を構造材として加工しているため、木によって癖があり、それを見て一本一本加工するため、全て機械に頼らない方がいいのです。加工した材料を搬入し、構造材を組上げ、仕上げ材の外装・内装を張る。

ほとんど現場で1つずつ部材を組んでいますから、将来、逆の事をすれば必ずリフォームできます。災害等で被害があっても、修理、補修ができるように現場作業を減らしていない造り方をしているのです。



※詳しくは、コラム「うちのつくり方」⑰へどうぞ!

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おわりに

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私は自分の家をリフォームした事があります。工事中、変更ばかりしていました。現場を見ると変更したくなるのです。自分でもそうだから他の人も当たり前だと思っています。


「まちの大工さん」では、外装内装もほとんど現場で決定しています。実物をみて決める、触って、歩いて決めるのが一番良いのです。ご自分の家になるのですからそれが一番なのです。もちろん自社で加工しているので、現場で気になるところは話をして、話がまとまれば、次の日に加工して現場に取り付けることができます。手仕事のいいところは、変更に応じられること。簡単に言うとオーダーメイド、注文に応じて変更することができる事なのです。


いいモノ(家)をつくらないと人は大事にしません。じゃあどうしたら、いいモノ(家)になるか、そう考えないといけないと思っています。いいモノ(家)がどうかは建築主(施主)が決めるのです。そう考えると、鍵を渡し積極的に工事をみてもらい要望があれば変更に応じる事ができること、そしてリフォームに適したつくり方(工法の選択と現場作業の重視)は最低の条件だと思います。
「まちの大工さん」で昔ながらのつくり方でつくる理由は、他に良い方法がないと思っているからです。



※詳しくは、コラム「うちのつくり方」⑲へどうぞ!

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