コラム

 公開日: 2012-11-06 

有責配偶者からの離婚請求は認められるのか?

 
 コラムをご覧の皆さま、はじめまして。
 弁護士の中野良美です。

 平成23年1月に弁護士登録してから、もうすぐ2年が経ちます。
 まだまだ未熟者ですが、一生懸命!という点では誰にも負けない気持ちでご対応させていただいております。
 どうぞよろしくお願いいたします。


 今回は、よくご相談されることが多い冒頭のテーマについて解説いたします。
 
 「有責配偶者」とは、婚姻生活の破綻の原因を作った配偶者のことです。典型的な例としては、不倫が原因で離婚する場合の、不倫をした側の配偶者を指します。そのほかにも、暴力をふるった側の配偶者、生活費を入れないで相手を経済的に困窮させた配偶者などがあげられます。

 判例は、有責配偶者からの離婚の請求は原則として認めていません。その考え方の根底には、自ら破綻の原因を作った者からの離婚請求が容易に認められるとすれば、相手配偶者があまりに可愛そうであり、また婚姻制度が空洞化しかねないという懸念があると思われます。

 確かに、不倫をした夫が、不倫相手と再婚するために、専業主婦の妻とまだ小さい子どもの生活を放って離婚したいという要求が簡単に通るというのはあんまりですよね。

 しかし、判例は有責配偶者からの離婚請求を一切認めないとしているものではありません。
 
 判例は
① 夫婦の別居が両当事者の年齢及び同居期間との対比において相当の長期間にわたっていること
② 両当事者の間に未成熟の子どもが存在しないこと
③ 相手方配偶者が離婚により精神的・社会的・経済的に極めて過酷な状態におかれる等離婚請求を認容することが著しく社会正義に反するといえるような特段の事情がないこと

の3つの要件を挙げ、これらを満たす場合には,有責配偶者からの請求であっても、離婚を認める余地があるとしています。


・・・ところで、このコラムをご覧の皆様の一番の関心ごとは、「結局、自分のケースでは,離婚を請求することができるのか?」ということだと思います。

 先に述べた判例の基準は、あくまでも離婚裁判となり、裁判所が判決を下す場合の最終的な考え方です。つまり、有責配偶者からの離婚請求が、話し合いや調停でも解決に至らず、裁判となって最終的に裁判所が判決を下す場面で、先のような考え方が前面に出てくるわけです。逆に言えば、そこに至るまでに話し合いや調停によって解決することは自由ということです。
 
 事実、有責配偶者からの離婚請求であっても、話し合いや調停によって解決(つまり、離婚)に至るケースは多々あります。もちろん有責性のないケースよりも大きな譲歩をしなければならない場合もありますが、話し合いの中で相手方配偶者が愛想を尽かして離婚に同意する場合もあります(笑)。

 ですので、自身に有責性があるから離婚は無理ではないかと諦める前に、まずは一度ご相談いただければと思います。

 
 なお、弊事務所は、決して有責配偶者からの離婚請求に倫理上の問題がないとは言いませんし、離婚を積極的におススメするものでもございません。

 ただ客観的に見れば既に破綻している状態で、形だけの夫婦関係を続けているのが本当に双方にとって幸せなのかな、と感じることは多々あります。本当に、男女関係は難しいものです。。
 。。。


明星法律事務所
http://myojo.mylawyer.jp

この記事を書いたプロ

明星法律事務所 [ホームページ]

弁護士 秋田智弘

愛知県名古屋市千種区内山1-19-26 サテライトスリービル1F [地図]
TEL:052-744-0930

  • 問い合わせ

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

1

こちらの関連するコラムもお読みください。

<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
 
このプロの紹介記事
明星法律事務所 秋田智弘弁護士

家族間のトラブルである離婚・相続の問題に親身に対応(1/3)

 名古屋千種区で明星法律事務所を運営する秋田智弘弁護士は、名古屋市内にある法律事務所で5年間の勤務弁護士を経験、2006年10月に名古屋市中区丸の内で自らの事務所を開設しました。その後、弁護士が少ない場所でより地域の方々に密着した活動を行い...

秋田智弘プロに相談してみよう!

朝日新聞 マイベストプロ

自らの体験から、相談者の目線で離婚・相続のトラブルを解決

事務所名 : 明星法律事務所
住所 : 愛知県名古屋市千種区内山1-19-26 サテライトスリービル1F [地図]
TEL : 052-744-0930

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

052-744-0930

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

秋田智弘(あきたともひろ)

明星法律事務所

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる
プロのおすすめコラム
新顔
イメージ

 皆さん初めまして。弁護士の鈴木恵美と申します。 昨年の11月から明星法律事務所で執務しています。...

[ 今池千種の弁護士の日常 ]

裁判傍聴
イメージ

 いつもコラムをご覧いただきありがとうございます。 はじめまして,明星法律事務所の事務局の照井です。...

[ 身近な法律問題 ]

蔵書印
イメージ

 ニュースなどでは,ここ数年は毎年「今年の夏の気象はヘンだ」という台詞を聞いているような気がしますが,今年...

[ 今池千種の弁護士の日常 ]

証人尋問の準備
イメージ

 皆さんこんにちは。 前々回のコラムで,証人尋問のことを少し書きました。 証人尋問は大変疲れますので,...

[ 今池千種の弁護士の日常 ]

弁護士業のいいところ
イメージ

 ある若者と会話をしていた時のこと。 「『飲む打つ買う』っていうじゃん?」 「打つ?覚せい剤ですか?」...

[ 今池千種の弁護士の日常 ]

コラム一覧を見る

人気のコラムTOP5
スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ