コラム

 公開日: 2012-11-21 

離婚届に判を押すタイミング

離婚届に判を押すタイミング
~協議離婚をする際、親権、養育費、財産分与、慰謝料等の条件を決めるのと離婚届を出すのとの順番をどうすればよいのか?~



 コラムをご覧の皆さま、こんにちは。
 弁護士の中野です。

 
 さて、当事務所では離婚事件を重点的な取扱分野の1つとして挙げており、実際に多くの方々にご依頼頂いております。
とはいえ、専門家にご依頼されることなく、当事者間での話合いで協議離婚をされている方も多くいらっしゃいます。

 離婚をするということは、これまで共通だった2人の生活を完全に二分することですから、当然ながらたくさんの決めごとをしなければなりません。

 主なものとしては、①親権、②養育費、③財産分与、④慰謝料、⑤年金分割、⑥面会交流の内容等が挙げられます。

 ただ、実際には、その他にも今後の住居も決めなければなりませんし、役所に行って様々な申請等をしなければなりません。
 離婚に伴う手続は本当に大変です。


 ところで、上記①~⑤を全部決めてからでないと離婚はできないのでしょうか。

 もしそうであるとすれば、離婚自体は合意していて、すぐにでも別居を開始したいのに、なかなか離婚届に判を押すところまで辿りつかない・・ということにもなりかねず、それ自体ストレスを感じてしまうこともあるかと思います。
 
 このような中途半端な状態を続けるのは、夫婦双方にとって良いことではありません。
 そして、お子様のいる家庭では、誰よりもお子様にとって、とても良くないことだと思います。

 実は上記①~⑤の中で、離婚届を出す前に必ず決めておかなければならないのは①だけです。

 なぜなら親権をどちらが持つかということは離婚届の必要的記載事項となっており、未記入のまま離婚届を出しても受け付けてもらえないからです。
 また、別居を開始するに当たって最も重要なのは夫婦のどちらがお子様を連れていくか、ということですが、親権が定まらないとこちらもなかなか決まりませんよね。

 逆に言えば、その他の②~⑤は必ずしも離婚届を出す前に決めておかなければならないものではありません。
 まずは離婚届を提出し,その後の話合いでゆっくり決めるということでも良いのです。

 ただし、離婚をした時点からお互い自力で生活していかなければなりませんから、今後の生活の経済的な見通しをつけてから実行に移すことを強くお勧めします。

 特に、①の養育費は監護親及びお子様の今後の生活を直撃する問題ですので、支払う側になる方もこのことを考慮して出来る限り早くに取り決めてくださいね。

 お子様のことを考えるという意味では、⑥の面会交流もできるだけ早くにルールを定めることをお勧めします。
 
 また、④の慰謝料は、基本的に離婚から、あるいは離婚の原因となった不貞行為などの不法行為の時から3年、⑤の年金分割は離婚後2年という期間制限がございますので十分にご注意ください。

 ③の財産分与については、期間制限はありませんが、特に③は時間が経てば経つほど話がややこしくなり、分割が困難になります。

 離婚ができた、と安心せずに早めに取りかかってください。


 「結婚へは、歩け。離婚へは、走れ」というユダヤの格言があると聞きますが、速く走りすぎて大切なことを決め忘れるというのでは困ります。明星法律事務所では、ご相談だけでも受け付けておりますので、少しでも不安や不明な点があれば、どうぞお気軽にご相談ください。


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