コラム

 公開日: 2014-11-27 

職場環境アセスメントと可能なストレッサー対策について②

可能なストレッサー対策として、主に4つ挙げます。
1.仕事上のストレッサー
仕事上のストレッサーについてはいろいろな方法で評価されています。仕事の要求度(仕事の負荷やノルマ)とコントロール(仕事を進めていく上での裁量の余地)の二軸で説明しようとする「仕事の要求度―コントロールモデル」に社会的支援(上司や同僚からの支援)を含めたモデルが、現在最も妥当性の高いモデルとして示されています。これまでの研究では、仕事の要求度が高く、コントロールが低いこと、および社会的支援が少ないことが、抑うつ状態と有意に関連すると言われています。ただし、仕事上のストレッサーがうつ病の直接の原因であるかについては、十分な科学的根拠はまだ示されていません。

うつ病の予防、および治療中のケアとしては、できるだけ業務負荷を軽減して要求度を低め、周囲からの支援が得られるよう管理職の皆さんから依頼することが望ましいでしょう。しかし、実際には十分な対応が得られないこともよくあります。労働者が「この仕事をこなすことはとうていできない」と思っている状態では、そのうち病状が悪化するのは明らかです。せめて「これならできる」と思える仕事を準備してもらい、「この仕事は無理だ」と感じる場合はしばらく猶予してもらうといった裁量を(たとえ部分的であっても)得られるよう、職場に対しての働きかけや共に働くスタッフにも配慮をしてきましょう。

2.職場の人間関係
職場の人間関係は、ストレッサーの認知やストレス反応を左右する非常に重要な要因です。仕事自体は嫌なものであっても、周囲から十分な心理的サポートを受けられるならば、そのストレスレベルはそれほど高いものにはならないでしょう。また、どんなやりがいのある仕事に就けたとしても、周囲との人間関係に問題があれば強いストレスを感じてしまうことになります。

最近では、職場の人間関係の問題がパワーハラスメントやモラルハラスメントなどといった問題にまで発展することも少なくなく、組織のリスクマネジメントとしても重要になりつつあります。管理職の皆さんは、人事部門と連携しながら関与することが大切です。

3.作業環境や作業管理の状況
騒音環境や温熱環境などといった好ましくない作業環境は、人間の生理的適応のうえでも大きな問題です。環境に対する生理的適応にはかなりの個体差があり、適応に必要な努力や困難さは労働者一人ひとりが異なることに留意しながら、対応していきましょう。また、仕事の質や量、作業時間についても、その影響は個人によってまちまちなので、一律に時間や量だけでその影響を判断することは避け、うつ病労働者へのケアとして当該労働者が苦手だと思う作業や環境から一時的にでも離せないか、可能な限り検討してみることも大切です。

4.配置転換、異動、役割の変化
これらの変化は強制的に再適応が要求される状況であり、慣れ親しんだ環境の喪失でもあります。そのため、労働者のうつ病発症の大きなきっかけになることが多くあります。またうつ病治療中は、病状の悪化を予防するため、転居を伴う異動等は可能な限り避けるべきです。しかし、職場への不適応など、病気に陥った要因のある環境の中で病気を治すことに難しさがあるような状況では、配置転換等による環境調整が抑うつの改善に有効なこともあります。


ただし、頻繁な配置転換や無計画な配置転換は逆に周囲の人間も含めた心の病等の発症につながる恐れもありますので、急激な移動で問題解決に至ったと処理するのは危険でもあります。

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